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自然について考える2

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画像は、先月お手伝いさせていただいた、スワミ・パラマートヴァナンダ・サラスヴァティ日本講演の際に頂いた、ヒンディー伝統のガーランド(花輪)を 敷地内の柿の木に飾ってブレッシングをいただいたものです。

インドの伝統では、なにかのお祭りや神事などがある時に使われた神様のブレッシングが込められているガーランドを 後でいただいてきて樹にかけて祝福のおすそ分けをいただくのです。

先日仕方なく切ることになった樹齢120年以上のクヌギ。

切ってみたら病気の初期だった事が判明。この事実に、切る前よりももっと自然と人間の共存についてリアルに考えることになったのです。

古い樹だから、と言うだけで病気になろうとしている樹を放置していては、人間の生活が危機を迎えます。下敷きになったら、家は全壊になるでしょう。人も死んでしまうぐらいの被害になると思います。これでは、共存とは言えません。

こう言う考える時には、対象物を感情的にならずにしっかり見つめてみる事が役に立ちます。切り株を見ていると、数時間でどこからかアリが集まって、樹液を嬉しそうに舐めています。私もそっと指で拭って舐めてみました。樹の生きている味がして…ハッとしました。

クヌギの樹は、切ったり折れたりした時に、切り株からひこばえ(新芽)が生えてくるのが旺盛な樹です。その性質から森の調整役と考えられます。動物たちにどんぐりを与え、虫には樹液を与え、人間には日陰や強い風から守ってくれたりするのです。そして、樹が折れたらまた新しい芽が出て、ピカピカの新しい樹が育っていきます。

 

今回、私達の感傷的な気分や、古い樹は切りたくないと言うマインドを優先して、樹を切らなかったとしたら…病気で樹が弱って折れてしまう事でしょう。そして人間にもなんらかの被害は避けられない環境です。

でも…何より私達を 正気にさせてくれたのは…

もし病気でこれ以上弱ってしまった樹は、切っても折れても、ひこばえ(新芽)が生える生命力が樹には残っていない…と言う事実です。

 

感情的に自然と向き合っていては、大切なものを見落とします。

例を出せば、人間の近くに野生動物が出る。川が氾濫する。

なぜ、動物が人の暮らしの場所に来ない様に努力もせずに、動物を殺した人を非難する事ができるでしょうか。殺さなければ人間が殺されたり、また人間の世界にやってきます。

イノシシやコヨーテ、タヌキと近く暮らしていた経験から言えるのですが、一度人間の生活圏に降りてきた生き物はまたやってきます。人間に対する怖さよりも他の利点の方が強いのです。そしてその動物を殺す役目を行っている人は、大抵動物や自然と向き合った事が無い人に非難されます。動物がかわいそうだ、と。

川が氾濫したのは何故でしょうか。堤防やダムや治水技術が何故予定通り防いでくれなかったのでしょうか。昔その設備を作った人が悪いのでしょうか。

突然自然環境が180度ガラッと変わる事なんてありません。その兆候があったのに対策をせずに見逃したのは何故でしょうか。

今回の私達リトリートの伐採問題で、もし何十年も前に樹の手入れや、周りの環境を整備していれば…病気になっていなかったかもしれません。

樹を切ってくれた木こりさんが「非情な人間」な訳は無く、樹を愛して守るために木こりをしている方々です。今回はそう言う人を選んでお願いしました。

ある意味、こう言う樹を愛して、自然を守ろうと言う思いで木こりの仕事をしている方に出会える事は、本当に幸せな事です。

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